就職活動と縁 | さつま揚げの一夜干し

就職活動と縁

内定を貰った今だから言えることですが、

私はもしかしたら就職活動を失敗していたかもしれません。


いわゆる「自己分析」というのにつまづいて、

自分に自信がもてなかった4月。

受ける企業のどこからもよい返事がいただけず、

とうとう持ち駒がなくなって、

「これではさすがにヤバイ」と、

受けられそうな会社は手当たり次第受けた。

そんなある日、ある会社からハガキが届いているのを見つけた。


 「会社説明会のご案内」

 5月○日、5月△日


「この会社はそんなに大きくないけど、結構良いんじゃないか」

と、父は言っていたが、

今時ハガキで送ってくるなんて、と思った私は最初そのハガキをほったらかしにしていた。


だけど、無性に気になる。

数日後、ハガキを返送しようと思った。

だけど、返送期限が過ぎていた。

縁が無かったのかな、と諦めかけた。

だけど、ダメ元でその会社のホームページを見た。

すると、ウェブからも説明会予約を受け付けていた。

高鳴る胸を抑えつつ、急いで予約した。


説明会を受ける。

ここに来たのは間違ってなかった。

「この会社で働きたい」

と思った。


それまでも、「この会社に行きたいかも」と思うことはあった。

だけど、それは単なる憧れに過ぎなかった。


だけど、今回は違う。

自分が、「どうしたいか」、「どうなりたいか」、

がはっきりとイメージできた。

その上での意志だった。


その後、1次、2次と、とんとん調子に選考が進んでいった。

面接を受けてもそんなに落ちる気がしなかった。

「これでダメなら縁がないのだな」

と、よい意味で割り切れた心境だった。


そして最終面接。

さすがに緊張する。

何を言ったのかは正直、あまり覚えていない。

どもったり、同じことを何度も言ってしまったりしていた気がする。

だけど、最後に言った一言だけは覚えている。


「第一志望とかうんぬんではなく、御社しか考えておりません」


決しておべんちゃらではなく、本心から言えたことだった。

それまでの面接を通じて、最も自分の熱意を表現できた瞬間だったと思う。


3,4日後、電話が掛かった。

「あなたに内定をお出ししたい」――。


ハガキを手にし、選考へ臨もうと思ったのは確実に縁や運命といった類に動かされてのものだろう。

だけど、あれほどに会社に対してアツく臨めたのは、

自分が努力して、苦しんで、諦めなかったお陰だと思っている。

そして、それを会社が受け入れてくれたのは、ある意味で必然だったかなと思うし、

またある意味では縁だったのかな、とも思っている。


P.S. たくへい③へ。

最終面接の一言はたくへい③のパクリです。でも、本当にそう言いたかったし、

自分の気持ちを伝えられるベストなセリフを教えてくれたあなたには本当に感謝しています。

(ちなみに、この「セリフ」を実際に使えたのは内定を頂いた会社一社のみです)